公会計研究所 IPSA(Institute of Public Sector Accounting) は、2003年 12月 3日に代表吉田 寛が設立しました。
スチュワードシップと呼ばれる人間関係の上に会計は成立します。特定の個人の資源を預けられた者がその信頼に応えたのか・否かを会計情報として提供するのが会計の役割です。
企業会計は、株主の資金を委ねられた経営者が株主に利益を提供したか・否かを伝えてきました。企業会計が株主に経営者が獲得した利益を伝えることで、株主は経営者が良い経営者なのか・悪い経営者なのかを判断することができます。株主が悪い経営者を廃し良い経営者を選別し選任することで、企業は発展し経済は成長します。
政府を会計主体の一つとする公会計も、スチュワードシップと呼ばれる人間関係の上に成立します。公会計は、税の運用を委ねられた代表者が市民の信頼に応えたか・否かを伝えます。産業革命と時を同じくする市民革命は、主権を専制君主から市民の手に取戻しました。専制君主によりコントロールされた課税権を市民がコントロールするのが民主主義です。
市民革命の遺産は継承され現在も主権は、市民の手にあります。しかし、政府は肥大化しリバイアサン(強大な怪獣)とも呼ばれています。リバイアサンは市民の税により命を繋ぎます。リバイアサンをコントロールするためには、主権者が合理的な判断をしなければなりません。主権者が合理的な判断を行うために必要とされるのが公会計の提供する情報です。
公会計研究所は、主権者の税の運営を委ねられた代表者が主権者の期待に応たえたのか・否かを伝える会計情報のあるべき姿を研究し、その研究成果を提供します。この会計情報により、税の運用を委ねるにふさわしい良い代表者を主権者が選別し選任することが可能になります。
公会計研究所は「子供にツケをまわさない」財政運営の実現に資することを目的とします。
2003年 12月 3日
公会計研究所 所長 吉田 寛
博士(政策研究)・公認会計士公会計研究所
会計の基本的な機能は、帳簿を作ったり、財務諸表を作ったりすることではありません。約束を守れる人か、守れない人なのかを伝えることが重要な機能です。
資本と経営が分離した企業会計では、経営者は株主に儲けることを約束します。ゆえに、経営を担当した期間の儲けを報告するのです。
主権と権力が分離した民主制を標榜する社会では、税を負担する承諾がなければ税を負担させてはなりません。「代表無ければ課税無し」です。
公会計(政府会計)においては、税負担に承諾を与えることのできない将来世代に負担を残してはなりません。「子供にツケをまわさない!」です。
作成:2009年12月21日
修正:2010年 1月19日
公会計研究所は、税を運用する行政に以下の会計原則に則って会計報告を行うことを求めています。
行政責任者の提供する会計情報は、以下の原則を守って作成されて、納税者は良い首長を見出す目が開きます。
行政責任者の責任が及ぶ範囲について会計報告をおこなう。
会計報告は主権者の意思決定に有用でなければならない。
主権者に提供された財と行政責任者の管理する財を混同しない。
主権者に不利な影響を及す可能性は開示する。
主権者の税によって政府は運営されます。
能力のある行政責任者は、税収の範囲で行政を運営します。
増税は必要ありません。
能力のない行政責任者は、税を無駄に使います。
彼らに税を渡してはなりません。
行政の責任者は選挙で選ばれます。
主権者が選挙で合理的判断をするために、
公会計は、選挙で選ばれる行政責任者の能力を明らかにしなけなりません。
既に子供にツケをまわしているならば税は悪事に使われます。